2018/06/06 カスタマーサクセス ブログ

カスタマーサクセスとは?その活用方法や事例をわかりやすく解説!

あなたはカスタマーサクセスというワードを聞いたことがありますか?カスタマーサクセスは、ここ数年、サブスクリプション型のクラウドサービスの増加に伴いよく耳にするようになった言葉です。ここでは、「カスタマーサクセスを実施しろ」と言われたけれどカスタマーサクセスってそもそも何?と感じているあなたに、同時によく用いられるアップセルやクロスセルなどのキーワードについても解説しながら、カスタマーサクセスという概念についてご紹介していきます。

カスタマーサクセスとは何か?

カスタマーサクセスとは、サービスを利用中のユーザーが、利用する上で感じる疑問や問題点を、先回りして課題の解決法や情報などを提供して、成功へと導くことをいい、「CS」と言われることもあります。

米国では2000年初頭、日本では2005年頃にカスタマーサクセスの考えが導入され始めましたが、一般にカスタマーサクセスが認識されるようになったのは、冒頭で述べたようにサブスクリプションモデルのビジネスが普及しだしたここ数年からです。

サブスクリプションモデルとは、“買い切り”で利用開始時にサービスを購入するのではなく、サービスの“利用期間”に対して料金を払うシステムのことをいいます。音楽配信サービスが代表的です。以前は、1曲ずつ購入するのが当たり前だった音楽配信サービスでしたが、最近では、「1ヶ月◯◯円で聴き放題」といったサービスが台頭するようになり、利用者数を増加させています。

サブスクリプションモデルの例を他に挙げると、会計ソフトや画像編集ソフトなどのソフトウェア、動画配信サービス、自動車やファッション、家電のレンタルなど、まさに多種多様です。このようにさまざまな業界でサブスクリプションモデルが導入されていることがわかります。

ではなぜ、サブスクリプションモデルでカスタマーサクセスの概念を導入する必要があったのか……。それは、「使い続けてもらう」必要性があるからです。
“買い切り型”のサービスと比べ、“サブスクリプション型”のサービスはユーザー1人当たりに一度で得られる価格は小さく、長く使い続けてもらうことではじめて利益を生み出します。
ユーザーに少しでも長く、提供しているサービスを「使っていたい」と思い続けてもらう為に、「サービスに課題はないか」「どうすればもっと使いやすいサービスになるか」と先手にアクションを行う、“カスタマーサクセス”の概念が必要となったのです。

サブスクリプションモデルは、ユーザーがモノを所有するのではなく、利用することに重きを置いたビジネスモデルです。顧客の成功を目的としているカスタマーサクセスは、まさに、サブスクリプションモデルを発展させるには大切な指標となります。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートとの違い

カスタマーから連想される言葉でいうと、カスタマーサポートのことを思い浮かべる人もいるかもしれません。

カスタマーサポートは「ユーザーから企業への問い合わせ」で始めて交流が生まれる点が、カスタマーサクセスとは大きく違います。

カスタマーサポートはユーザーの不満・不安の声を直接聞き、解消することができるとても重要な部門ですが、基本的には直接利益は生むことはありません。その為、コストを抑えて対応する必要があります。

一方で、カスタマーサクセスは、ユーザーに“成功体験”を提供しサービスのファンになってもらい、サービスを使い続けてもらうことで、さらに利益を増幅させることができます。
新規顧客を獲得するより解約(チャーン)させないようアクションを行う方がコストを抑え、効率的に利益を上げることができます。その為、カスタマーサクセスは、コストを削減するどころか、むしろコストをかけてでも取り組むプロジェクトであるとも考えられます。

このように、カスタマーサクセスとカスタマーサポートは、似て非なる性質を持っています。

アップセル/クロスセルへ導くことがカスタマーサクセスの“狙い”

カスタマーサポートでは、顧客満足度を引き上げるためにサービスを提供していますが、カスタマーサクセスは、顧客を成功に導くことで、自動的に顧客の満足度も高めることができます。カスタマーサポートでは、足りない満足度をカスタマーサポートが補う形でしたが、カスタマーサクセスの場合は、顧客の成功に満足度がセットで付いてくるようなイメージです。

顧客の満足度が上がると、もっとたくさんの、もっといい成功を手に入れたいと人は思うようになります。そこで使えるのがアップセル、クロスセルといった顧客の単価を上げる取り組みです。

■アップセルとは?

アップセルとは、現在よりも上位の高額モデルに乗り換えてもらったり、オプション等をプラスして利用してもらったりすることで、顧客単価アップをはかることをいいます。

例えば、会計ソフトなどでベーシックプランを利用していた顧客がいたとします。このベーシックプランは、かなり限られた機能しか使えません。そこでその顧客は、すべての機能が使えるプレミアムプランにグレードを上げることにしました。これが、アップセルの具体例です。

■クロスセルとは?

クロスセルは、顧客がすでに購入したものの関連商品をおすすめし、新たな購買につなげようという顧客単価アップの方法です。

例えば、観葉植物を購入すると、スコップ、軍手、虫よけスプレー、プランター、土、肥料など、必要なものがたくさん増えます。観葉植物は水をあげれば育つのではなく、きちんと手入れをしなければいけませんので、購入した顧客は、今後これらのアイテムを購入するようになるでしょう。

もし、観葉植物を通販で購入していたとしたら、この顧客のPCスクリーンには、その後しばらく「この商品を購入した人は、この商品も購入しています」といった観葉植物グッズの広告を目にすることになります。

当然、その広告を見て、この顧客は買い揃えていくことでしょう。このように、関連商品を購入させることで結果的に顧客単価が上がっているのが、典型的なクロスセルの例です。

カスタマーサクセスという概念導入により成功したサービス例

ここからは、カスタマーサクセスの概念を導入したことで、サービスが大きく飛躍した成功事例をご紹介していきます。

■Netflix(ネットフリックス)

定額制の動画配信サービスを行っているネットフリックス。アメリカで誕生したネットフリックスは、今や世界190カ国以上で配信事業をする代表的な企業となりました。

スマートフォンやPC、タブレットなど、インターネットに接続できるデバイスなら、いつでもどこでも動画の視聴ができ、CMもなく、コンテンツは見放題です。毎月新作が追加され、ユーザーが飽きを感じないサービスを展開しています。

ネットフリックスは、メンバーシップに加入することで利用することができるサービスです。日本では、メンバーシップには3つのタイプがあり、「ベーシックプラン」「スタンダードプラン」「プレミアムプラン」があります。

この3つのプランの違いは、「同時に何台のデバイスで再生できるのか」と「画質」の違いです。例えば、ベーシックプランは1度に再生できる台数は1台だけで、標準画質での配信に限られます。一方、プレミアムプランを選べば、4つのデバイスで別々の動画を同時視聴することができ、高画質や超高画質でも視聴が可能です。

ベーシックプランは、一人暮らしで、スマホなどの小さな画面で動画を視聴する人に向いているプランといえます。一方、プレミアムプランの場合は、リビングの大きなテレビ画面で視聴したい人や、家族で別々の動画をそれぞれのデバイスで楽しみたいときにおすすめのプランです。

アップセルの設定はユーザーのライフスタイルにも即しており、それがひとつの成功事由となったのかもしれません。海外では、ネットフリックスはすでに動詞化しており、若者たちの間では“Do you wanna Netflix?(一緒にネットフリックスしない?)”といった会話も定番となってきているそうです。

■セールスフォース

セールスフォースは、クラウド型CRMアプリケーションのこと。CRMとは顧客関係管理を意味し、農業や工業、金融や物流等、とにかく多くの業界で活用されています。世界でも10万社以上が導入している注目のサービスなのです。

ひとまずわかりやすくするために、実際の導入例をご紹介していきましょう。

【牧場での導入例】
ある牧場では、エクセルと乳牛管理のソフトを用いて、牛の管理や受発注の管理を行っていました。ソフトが入っていないPCでは利用できず、2つのソフトは連動していないため、セールスフォースを導入することにしました。

すると、牛の分娩予定から出荷計画までもが立てられるようになり、業務の一元化に成功。これまではなかなか計算ができなかった牛乳の売上予測なども立つようになり、業務が一変したのです。

セールスフォースは、ただの会計ソフトやマーケティング分析のソフトではありません。乳牛の管理といったかなり限定的な現場でもカスタマイズして導入できるほど、どんな事業でもフィットするのが特徴といえます。

また、セールスフォースは、導入することで顧客の営業収益が約34%アップしたという調査結果が出ています。まさに顧客を成功に導いた立役者というわけです。事業に合わせてカスタマイズすることで、自動的にアップセルの流れに持ち込めるとあり、今後はもっと多様なサービスへ活用されていくことでしょう。

アップセル/クロスセルを成功させるための“カギ”

アップセル、クロスセルで顧客単価をアップさせていくことは、定額のサブスクリプションモデルを提供するビジネスなら必ず考えたいことです。しかし、ユーザーの満足度を伴わないアップセルやクロスセルは、設けてもあまり意味がありません。

例えば、洗濯用洗剤を例に考えてみましょう。あるスーパーでは、ふたつ同時購入でお得になると売り出しました。洗剤はいつか使い切るもので、まとめ買いをしてもおそらく余ることはありません。これならユーザーもメリットを見出し、購入してくれるはずです。

しかし、この洗剤を「20個買ったらお得になる」と言われたらどうでしょうか? ユーザーは「20個もいらないわ」と言って購入しないはずです。

このように、アップセルやクロスセルを考えるときにも、ユーザーに無理を強いないよう配慮しなければいけません。20個も洗剤を買った先にユーザーの満足度は伴ってきませんよね…。本当にいいアップセルやクロスセルの場合は、ユーザーの満足度も同時に上がります。その点に注意して仕組みを考えるといいでしょう。

ゴリ押しで営業されても購買意欲が刺激されないことは、多くの人が身をもって体験していることではないでしょうか。なるべく「自然と欲しくなる仕組み」を設けることが大切です。

まとめ

カスタマーサクセスの概念と、アップセル、クロスセルについて今回はご紹介しました。サブスクリプションモデルのビジネスが広まりつつある昨今、ビジネスをさらに発展させていくためにもカスタマーサクセスの概念を用いることはとても重要です。売上も顧客満足度もアップするこのモデルは、今後もますます導入されていくことでしょう。