2018/10/16 カスタマーエクスペリエンス ブログ

カスタマーエクスペリエンスにおける「セルフサービス」の重要性

カスタマーエクスペリエンス(CX)に取り組み始めると、顧客体験をより向上させることの必要性に気づかされます。「次は何に着手すべきか」「これまで提供してきたCXに不足はないか」など、気になることも増えてくることでしょう。
しかし、カスタマーエクスペリエンスに割ける人的リソースの不足や、自社に適した具体的な手法がわからないという壁に遭遇してはいらっしゃいませんか。今回は、カスタマーエクスペリエンスで今一度考えてみたいサポート法と、その中でも思いの外重要な側面である「セルフサービス」についてご説明します。
カスタマーエクスペリエンスにおけるセルフサービスの意味を理解できれば、今あなたが感じている悩みも解消されることでしょう。

コストを最小限に抑え、カスタマーエクスペリエンスを向上させるポイント

カスタマーエクスペリエンスという概念を実現するため、企業が導入したいと考えるツールは多岐にわたります。
以下では、それぞれのツールないしは仕組みの特徴、担う役目をご説明します。

■オムニチャネル対応

現在、サービスや品物を販売するサイトには、いくつかの「コンタクト方法(チャネル)」が設置されることが増えています。
・サポートセンターの電話番号公表
・メールフォーム
・チャット
・LINEアカウントの公表
顧客や見込み客が何らかの質問を抱えているとき、ないしは質問をしたいと考えるとき、自分にとって都合の良い方法を選べるようにしているのです。

しかしながら、これら多岐にわたるコンタクト方法でそれぞれに対応していると、「コンタクト方法の数×コンタクトの量」だけ対応担当者が必要となります。さらにいえば、それぞれのコンタクト法を担当するグループ内だけで情報が留まってしまい、他のコンタクト法を担当するグループとの情報共有ができないことも考えられます。
同じ質問でも、コンタクト法により回答やアドバイスが異なってしまう結果を招いてしまえば、顧客や見込み客は「成功」どころか「失敗」を体験してしまうこととなり、あなたの取り扱うサービスや商品から離れていってしまうかもしれません。

この問題を回避するため、各種チャネルを統合する「オムニチャネル化」が重要です。それぞれのチャネルでやり取りされている情報に、担当者がシームレスにアクセスできるような状態が作り上げられていれば、先に挙げたような「チャネルや担当者によって回答が異なる」という“顧客の心理的痛み”を招くことはありません。
オムニチャネル化するためには、まずテキストで寄せられる質問/疑問を一元化する、音声通話での質問/疑問をテキストまたは音声データで管理できることが基本です。

■ナレッジベースの活用

オムニチャネル対応ができれば、各チャネルから上がってくる質問や疑問を「すべてまとめる」ことへつなげることができます。そして、その後行うべきことは
・特に多い質問/疑問への回答を固定化する(回答がばらばらにならないようにする)
・日頃接しない特殊な質問/疑問が寄せられた場合、どのように回答したかの情報を記録する
・サービス/商品そのものの改良が必要と考えられる情報が寄せられた場合も記録する
などです。

情報を社内で共有できるようになれば、部署という垣根を越え、「顧客や見込み客が何を望んでいるのか」が一目瞭然となります。また、実際にサービスや商品を利用しているユーザーが、「利用中にどのようなことでつまずいているのか」を一覧化することで、改良すべき点を社員全員で“監視”することもできるようになります。
顧客にまつわる多くの情報を蓄積すれば、ナレッジベースが出来上がります。全社一丸となって顧客の体験をスピーディーに察知できることとなり、「深刻なことは会議にかける」「軽微なことなら説明をより丁寧なものに変更する通知を社員に出す」など、会社全体の動きを適切にコントロールできるようにもなります。

ナレッジベースを適切に運用すれば、「重大な問題」「軽微な問題」を切り分けることができ、場合によっては会議を減らすことが可能となりますので、顧客の期待に応えるだけでなく、全社的な無駄を省く仕組みとなってくれるのです。

■チャットボットの導入

ナレッジベースが出来上がり、それを人的リソースで活用できるまでになれば、次はチャットボットの登場です。
・サイトにアクセスした瞬間
・サイトを離れようとした瞬間
・サイトへの来訪者が一定のページに一定時間以上留まり続けているとき
必要なタイミングで、チャットボットがサイト来訪者に「お困りですか?」と話しかければ、来訪者はそのままサイトに留まり続けてくれるでしょう。

テキストで特定のキーワードが入力されれば、ナレッジベースからその質問に関連した情報へのリンクを提示させるよう設定しておきます。サイト来訪者は、自分の手で望む答えにたどり着けるかもしれませんし、それでも解消できないとき、はじめてチャット担当者が直接“対応”すればよいこととなります。
ナレッジベースとチャットボットがうまく連携していれば、来訪者は「無駄な待ち時間」を費やすこともなくなりますし、企業側にとってもチャット担当者を減らすことが可能となります。

わかりやすいFAQの準備

これまで顧客や見込み客から寄せられた質問やクレームが集まれば、ナレッジベースが出来上がり、いわゆる「よくある質問」を発見できます。これをもとに、わかりやすく充実したFAQページを作成すれば、顧客や見込み客は自らの手で、自分に一番適したタイミングで問題を解消できます。

顧客や見込み客が、あなたの取り扱うサービスや商品に関してもっとよく知りたいとき、最初に訪れるのがFAQページでしょう。FAQページなら、いつでも、どこからでもアクセスでき、何より「○○について知りたいのです」「サービス(商品)を使用中、○○のような現象が起きます」といった説明をせずに済み、手間が省けます。
顧客への対応を行うスタッフも、頻度が高かった質問の問い合わせの数が減ることで、より重要な他の問い合わせに丁寧に答える時間を確保できます。

FAQページを充実させればさせるほど、来訪者は問題を自己解決でき、「この会社は親切だ」と認識してくれるはずです。さらにいうなら、FAQページで説明すれば済む基本的なことへの問い合わせの数は激減し、企業側も対応人員を減らすことができるでしょう。

「セルフサービス」とは? セルフサービスで実現できること

ナレッジベースと連携させたチャットボットや、充実したFAQページは、顧客自身で問題解決ができる仕組みで、これを「セルフサービス」と呼びます。

これらをいつでも、どのデバイスからでも利用できるようにしておくことは、スピーディーに顧客や見込み客に満足を与えることができます。というのも、疑問を抱いたときすぐに答えを提示できる、つまりオンデマンド対応ができている、ということだからです。
働き方やライフスタイルが多様化している現代において、時間や場所、デバイスに囚われず、知りたいことへの回答をすぐに得られるのは、顧客や見込み客にどれだけの満足を与えることができるのか、今一度考えてみたいところです。

今や、欲しいものを見つければ、いつも利用するネットショップで購入ボタンを押せば事足りる時代となりました。この利便性を日常的に経験している来訪者にとって、わざわざ困りごとをテキストで入力したり、電話口で伝えたりすることは、不便以前に苦痛でさえあることでしょう。

上記でも少し触れたとおり、顧客や見込み客が自身で問題解決できる環境を整えることは、多くのチャネルから寄せられる問い合わせに対応する人員を削減することにもつながります。
積み重なった情報は、サービスや商品に求められる改良点を示唆していることもあるでしょう。セルフサービスの基礎となるナレッジベースなどの仕組みは、企業の宝にもなり得るのです。

まとめ

カスタマーエクスペリエンスとは、顧客体験をより向上させることです。その「ストーリー」は利用契約(購入)前から始まり、利用中も、ときに利用を中止したあとにまで続いていきます。
この間、サービスや商品のみならず、会社の対応までもが顧客にとって体験のすべてとなり、満足できるかどうかを決定付けるのです。

いつでも/どこでもが当然となった今、自分で“解を得る”ことをユーザーは望んでいます。ある調査では、消費者の約80%が「セルフサービス」を好むことが確認されたほどです。
確かに、上で触れたような仕組みを導入するにはそれなりの費用はかかります。しかしながら、それを上回る顧客の満足、そして社内の作業効率向上は、無視することのできない大きなメリットです。

 

  

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